鍼灸が不妊(妊活)に良いとされる理由

血流をよくする

血液循環機能を良好にし、冷えによる内臓の機能低下やホルモンバランスの乱れを整えます。
また卵巣や子宮の血流を促進する事で着床率を上昇させます。

 

自律神経を整える

内臓機能やホルモン分泌に深く関係する自律神経を整え、子宮や卵巣などと関係の深い神経の伝達を良くします。

 

『脾』『腎』『肝』を整える

東洋医学では「脾」「腎」「肝」が月経、妊娠などと関係する経絡(気血の通り道)とされているため、これらの経絡を整えるツボを、はりや灸を使って刺激していきます。

WHO(世界保健機構)でも適応と認められている

鍼灸というと、痛みに対する施術のイメージが強いかもしれませんが、実は不妊症の方のお体の状態を整える事に非常に相性が良く、崩れている身体のバランスを整えて本来持っている自然治癒力を高めます。1979年には世界保健機構(WHO)で鍼灸の適応疾患が認められ、その中には月経不順や冷え性、そして〖不妊〗も含まれています。

メディア掲載情報

体外受精の前後に、女性の体をリラックスさせるハリ施術をすると、妊娠率が大幅に向上するという研究結果を、ドイツと中国の研究チームがまとめた。

米生殖医療学会誌に掲載された報告によると、同チームは、体外受精をうける女性百六十人を二つグループに分け、一方に体外受精の際、受精卵を子宮に戻す前後にハリ施術を実施。

ハリ施術のグループには、ハリ治療をせず通常の体外受精を行った。その結果、ハリ施術グループの妊娠率が42.5%に上がり、通常施術の26.3%を大幅に上回った。

体外受精の妊娠率は、高くても三割程度とされた。

繰り返し施術を受けるカップルの精神的、金銭的な負担が問題になっている。妊娠率が向上する詳しい理由は分からないが、同学会のサンドラ・カーソン次期会長は「確実に検証されれば、妊娠率向上に役立つ手法になる可能性があると注目している。

「2002年4月30日 夕刊 読売新聞」

体外受精を5回以上行っても妊娠できなかった不妊症の女性114人に針施術を行ったところ、約4割にあたる49人が妊娠に至ったと、名古屋市の明生鍼灸(しんきゅう)院と明治鍼灸大の研究グループが10日、大阪市内で開かれている日本生殖医学会で報告した。

49人のうち4人は自然妊娠だったほか、30人は治療後1回目の体外受精で妊娠に成功したという。

不妊治療の専門家が集まる学会で、針施術による効果を示すデータが発表されるのは珍しい。報告された114人の施術実績は、1998年2月~2006年6月に、同鍼灸院を訪れた不妊患者のうち体外受精を5回以上行っても妊娠しなかった女性のもので、施術は週1~2回のペースで行われ、腹部や足などにある婦人科疾患に効果があるとされるツボを針で刺激した

「2006年11月10日 読売新聞」

アメリカの生殖医学学会誌からの報告

胚移植日に鍼灸施術を行うと体外受精、顕微授精の妊娠率を上昇させる

胚移植日に鍼灸施術を行なうと体外受精、顕微授精の妊娠率を上昇させる273例を研究対象とし、鍼を行なわない組では22%の妊娠、鍼施術を行った組では36%の妊娠率となり、鍼灸施術を行なった組に有意に妊娠率が高くなった。
2006年デンマークからの発表(アメリカの生殖医学学会誌)より

 

体外受精例に鍼灸施術を3回行い、はり施術群に妊娠率が高かった

体外受精と顕微授精例の黄体期に鍼施術を行なうと妊娠率が有意に高かった225例を対象としたもの。
鍼灸を行なわなかった組では13.8%、行なった組では28.4%の妊娠率で、鍼灸施術組の妊娠率が高くなった。
2006年ドイツからの発表(アメリカの生殖医学学会誌)より

 

体外受精例に針灸施術を3回行い、針施術群に妊娠率が高かった

体外受精例に鍼施術を3回行い、鍼施術組に妊娠率が高くなった例228例を対象に、hMG(排卵誘発剤)注射時、採卵前、採卵直後に鍼を行なった。行なわない組では23%、鍼施術組では31%の妊娠率で、鍼施術組に妊娠率が高くなった。
2006年オーストラリアからの発表(アメリカの生殖医学学会誌)より

 

体外受精と併用された針灸施術は妊娠率を向上させる

メリーランド大学、ジョージタウン大学産婦人科が、過去の7件の臨床試験のデータをまとめた。鍼施術を併用した胚移植は、鍼施術を受けた群の臨床的妊娠は1.65倍高く、継続中の妊娠は 1.87倍、生児分娩率は1.91高く、鍼施術は妊娠率の高さと関連していた。
2008年アメリカからの発表(アメリカの生殖医学学会誌)より